John Borland 矮小銀河が形成される様子。拡大されているのは、その銀河の中心部(直径2000光年)。星の運動に伴ってガスが動いている。 Image: S. Mashchenko、J. Wadsley、H. M. P. Couchman暗黒物質の概念は研究者たちに広く受け入れられている。暗黒物質は目に見えず、今のところ観測不能だが、宇宙に存在する物質の質量の大半を占めると考えられているものだ。天文学者たちは、暗黒物質そのものではなく、それがもたらす効果を観測し、目に見えないこの物質が、実際にはどこに存在するのかを推測してきた。だが、そこで1つの問題に直面する。暗黒物質に関する主流モデルである「冷たい暗黒物質」の理論に従えば、諸銀河の中心部には、観測データが示すよりはるかに多くの暗黒物質が存在するはずだと考えられるのだ。ところがこのほど、実はこの問題はそれほど難しいものではないかもしれないという主張が行なわれた...